第68期生入学式にて
第六代校長 山本 精一(やまもと せいいち)
2015年4月就任
前 四国学院大学教授
 本校は創立以来、変わらない独自の教育方針を貫いてきました。創立者鈴木弼(すけ)美(よし)は、第二次世界大戦中、世の流れに抗して非戦平和主義を貫き、友人渡部弥一郎氏と共に8ヶ月間、獄中の苦しみを耐えました。敗戦後、新制高校として再出発してからは、受験準備教育に抗して「本来の高校教育が目指すべきもの」を求め、学問(真理探究)の基本を学び、自己と人生、社会と国家の在り方について、深く考える人間の育成に励んできました。こうした歴史によって培われ、今も時代を超えて追求しようとする本校の教育目標と教育方針は、以下の諸点です。

(1)神を畏れる人間を育てる
 「神を畏るるは学問の始め」(箴言1:7)を教育の基軸に据える本校にとって、朝拝・夕拝と日曜礼拝は、学園生活の必須の要です。聖書の言葉に毎日触れながら生活し、思索し、祈り、正直に「自己」と「真理」を探求する。入学時に校長と交わす「契約の書」に立って、どこまで「嘘のない生活」ができるか格闘する。その中で「神を畏れて、人を恐れない」(内村鑑三)、真に自由で自律的な独立人を育てたい。
ヘブライ語は右から左に読みます
本校旧講堂に書かれた文字(右側は同意のヘブライ語)
(2)天然から学ぶ人間を育てる
 飯豊連邦の山懐に抱かれた叶水の自然と大地が、学園生の学びと生活の場です。足元の草花から天空の星々の世界まで、身のまわりの大自然の息吹に直に触れ、よく見、よく感じ、よく考える。そうした日々の積み重ねの中で、小さな気づきをいとおしみ、「天然からのメッセージ」へと心を開き、大地・天空、一木一草の語りかけに耳を澄まし、創造主へと目を上げ、自己自身のライフスタイルを新たなものとしていく、鋭敏な感性と傾聴する知性を育てたい。
一本松中腹からの景色 味は絶品です
猿鼻山とツリーハウス 裏山でとれた椎茸
(3)「労働する人間」を育てる 思わず笑顔が出ています
 自然の中で汗を流して労働することの喜びと充実を知ることは、人間形成の大切な土台です。牛・豚・鶏の世話、米や野菜作り、製パン、炊事等、学園共同体の生活を支えるために必要な労働作業が沢山あります。それを、全員で朝に夕に分担することを通して、体を労して働くことが生きる喜びになる人を育てたい。
男性も炊事をします 完全無農薬で栽培します
炊事風景 園芸部の大根の芽 子牛に哺乳中
(4)「自ら学ぶ人間」を育てる
 学びへの意欲は、一人一人その内奥に深く宿っています。それを発動させるものの一つは驚きです。適当なところで分かっていると自分で決めつけていた事柄の中に潜んでいる深い謎に出会ったとき、「驚き」とともに「本当のところはどうなの?」という探求の姿勢が生まれます。入り口は多様です。しかしどこからであれ、それぞれ多様な真理探究への「自学の道」を歩ませたい。学園で学ぶ人には、この「自学の精神」を強く求めます。
(5)「平和を創り出す人間」を育てる ネイティヴスピーカーによる英会話の授業
 全寮制の下、生徒全員と教職員の多くが同じキャンパスで生活を共にする中で、異質なものを排除せず、互いの多様な人格を尊重して共に生きるような、広く柔軟な強さを育てたい。「憲法勉強会」「思想・良心・信教の自由を守る日」、沖縄・韓国への「平和の旅」等を通して、戦争の本質を知り、身近な所から世界の平和を創り出す生き方について、多様で多角的な問題意識を啓発する。こうした経験と学びを通して「非戦平和」への不屈の意志を培った人間を、この国と世界に送り出したい。
英会話の授業風景
《 学園の基本方針 》
1.「少人数教育を守る」
    1学年25名定員を堅持する。

2.生徒の「自治の力」を信頼する
    学園の運営を、職員と生徒が協力して行う。
    学校行事や寮生活の運営責任を、可能な限り、生徒の手に委ねる。

3.あえて「不便な環境」を保持する。
    利便性優先の風潮を排し、できるだけ簡素な生活をする。
    TVや携帯のない共同生活環境を守る。
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